資産別30年複利運用シミュレーション
以下は各資産に500万円を投資し、年利回りを過去30年の実績などから仮定して複利運用した場合の残高推移です(利息・配当は再投資、すべて円換算)。5年ごとの残高を示します。
1. 日本国債(利回り約1.1%想定)
過去30年間の10年物国債平均利回りは約1.1%(1995~2024年の年平均利回り)でした。これを年率1.1%と仮定して複利計算します。
| 年数 | 0年後 | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 残高(円) | 5,000,000 | 5,281,117 | 5,578,039 | 5,891,655 | 6,222,904 | 6,572,777 | 6,942,321 |
利回り根拠:JPアクチュアリー・コンサルティングによる日本国債(10年)の年平均利回りは1995年に約3.47%、2024年に約0.88%で、過去30年平均は約1.1%。
メリット:
- 政府発行で信用度が高く、債務不履行リスクが極めて低い。
- 国債市場は流動性が高く、任意の時点で売買しやすい。
- 元本が保証され(満期まで保有すれば額面戻り)、安定的に利息(年2回)を得られる。
デメリット:
- 利回りが非常に低い(現状約1%台)ため、インフレに弱い。
- 利息には源泉分離課税(20.315%)が適用される。
- 金利上昇局面では価格下落リスクがある(満期前に売却する場合)。
2. 銀行定期預金(年利約0.5%想定)
日本の銀行定期預金金利は極めて低く、直近では1年物で0.002%程度です。本シミュレーションでは歴史的平均として年0.5%と仮定しました(実際は0%台)。
| 年数 | 0年後 | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 残高(円) | 5,000,000 | 5,126,256 | 5,255,701 | 5,388,414 | 5,524,478 | 5,663,978 | 5,807,000 |
利回り根拠:みずほ銀行の公表では、1年もの定期預金金利は0.002%と極めて低いため、長期平均で0.5%程度と見積もりました。
メリット:
- 元本が確実に保証され(預金保険で1,000万円まで保護)、リスクがほぼゼロ。
- 預金残高はいつでも解約可能で流動性が高い。手続きも簡便。
- 定期預金金利は固定だが、普段使いの普通預金より若干高い。
デメリット:
- 現在の金利は実質ゼロ(年0%台)でほとんど増えない。
- インフレ率を下回るため、実質的に資産価値が目減りする可能性が高い。
- 利息には課税(20.315%)されるため、実効利回りはさらに低下する。
3. フィリピン・ペソ定期預金(年利約4.0%想定)
フィリピンのペソ建て定期預金金利は比較的高く、中央銀行によれば1年物で約4.0%程度です。この利率を年4.0%と仮定して複利計算します。
| 年数 | 0年後 | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 残高(円) | 5,000,000 | 6,083,265 | 7,401,221 | 9,004,718 | 10,955,616 | 13,329,182 | 16,216,988 |
利回り根拠:フィリピン中央銀行(BSP)の公表によると、ペソ建て定期預金(1年超〜5年)は約4.0–5.0%程度で推移しており、年4.0%で計算しました。
メリット:
- 日本円預金よりはるかに高い金利が得られる(年4%以上)。
- 通貨分散ができ、ポートフォリオ全体のリスク分散につながる。
- フィリピンは成長率が高い途上国であり、高金利環境が長期的に期待できる。
デメリット:
- 為替リスクが大きく、円高・ペソ安になると元本割れの恐れがある(為替差損)。
- フィリピンでは外貨管理が厳しく、ペソの国外持出し制限や送金手続きが煩雑。
- ペソ預金は預金保険の対象外で、金融危機時のリスクを伴う。
- 利息にも課税され(日本では利子所得扱い)、円転時の為替差益も課税対象となる。
4. 米ドル建て保険(終身/養老保険、年利約4.5%想定)
米ドル建て終身保険・養老保険は、予定利率が数%台です。例えば明治安田生命の米ドル建て一時払終身保険では、10年間の予定利率が約4.99%と公表されています。ここでは年4.5%の利回りで計算しました。
| 年数 | 0年後 | 5年後 | 10年後 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 残高(円) | 5,000,000 | 6,230,910 | 7,764,847 | 9,676,412 | 12,058,570 | 15,027,172 | 18,726,591 |
利回り根拠:代表例として明治安田生命の「えらべる外貨建一時払終身保険(米ドル建)」では、10年固定期間の予定利率が約4.99%となっており、本シミュレーションでは年4.5%を仮定しました。
メリット:
- 米ドル建てで高い利回りが期待できる(ドル金利は比較的高い)。
- 死亡保障(終身保険)や満期金(養老保険)が付加され、保障機能が得られる。
- 米ドル資産を保有できるため、為替分散によるリスク軽減効果もある。
- (日本の生命保険制度)生命保険料控除など、税制上の優遇措置を受けられる。
デメリット:
- 為替変動リスクが大きく、契約後に円高・ドル安となると支払戻金・保険金の円換算額が減少する。
- 解約返戻金やスイッチングには手数料・為替手数料がかかり、流動性が低い(解約控除やペナルティがある場合が多い)。
- 商品が複雑であり、金利低下時には積立利率が下がるなどリスクがある。
- 解約返戻金は通常「雑所得」として課税対象となる(死亡保険金には非課税枠があるが、解約時には課税)ため、税負担が生じる可能性がある。
参考資料: 財務省・財務局等による国債利回りデータ、各金融機関・保険会社の公表資料。
「結局30年後に税・手数料などすべて考慮して最も手元にお金が残るのは?」
✅ ドル建て保険(米ドル建て終身/養老保険)
約1,570万円~1,680万円程度(税・手数料考慮後)
以下に、それぞれの資産の**30年後の手取り見込み額(円)**を一覧で比較します(税率や一般的な手数料・為替コストを反映):
| 資産種別 | 税・手数料考慮前 | 税・手数料考慮後の見込み | 備考 |
|---|---|---|---|
| 国債(1.1%) | 6,942,321円 | 約6,554,000円(▲20.315%) | 利子課税あり(源泉分離課税) |
| 貯金(0.5%) | 5,807,000円 | 約5,673,000円(▲20.315%) | 利息に対して課税 |
| ペソ預金(4.0%) | 16,216,988円 | 約12,800,000円〜13,300,000円 | 為替差益課税・手数料3〜5%、為替変動±15%仮定 |
| ドル建て保険(4.5%) | 18,726,591円 | 約15,700,000円〜16,800,000円 | 為替手数料、為替差益課税、契約時手数料込みで控除想定 |
補足:各資産の控除内訳イメージ
▶ 国債・預金
- 利息に対して20.315%の源泉分離課税
- 元本保証のため減少リスクはなし
▶ ペソ預金
- 為替差益(雑所得)に対し最大55%の課税(累進課税、通常は20.315%〜33%)
- 為替手数料:片道1円想定で3〜5%の実質減額
- ペソ安になった場合は元本割れリスクあり
▶ ドル建て保険
- 解約返戻金:雑所得として課税(課税対象は利益部分)
- 為替手数料:約2%〜3%控除
- 解約控除:10年超でほぼゼロのため考慮外
- 死亡保険金なら非課税枠(500万円×法定相続人)あり
結論(現実的手取り順)
| 順位 | 資産 | 手取り概算(円) |
|---|---|---|
| 1位 | ドル建て保険 | 約1,570万〜1,680万円 |
| 2位 | ペソ外貨預金 | 約1,280万〜1,330万円 |
| 3位 | 日本国債 | 約655万円 |
| 4位 | 定期預金 | 約567万円 |
注記:
- ドル建て保険は「30年据え置き・為替が±10%範囲・保険解約」の条件で試算。
- 為替が大きく変動した場合、結果も変わります(特にペソとドル)。
- 保険に関しては死亡保険金での受け取りなら非課税枠を使ってさらに有利になる可能性があります。

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