幸楽苑公式HP メニュー画面より引用https://www.kourakuen.co.jp/
外食時の財布の味方[幸楽苑]本当に助かります。
少し値段を気にして外食しても大人一人当たり1300円、子供でも700円ほどかかってしまう外食費。
これを25%~35%ほど安く済ませる事が可能ですから。
でもまだまだ世の中には「安かろう悪かろう」という考えの人が一定数まだいます。
例えばなんですが、
お店のお客さんでたまに幸楽苑をバカにしたような発言をする人が多いです。でもその時私は説教します。
まずあの値段。あの安さでラーメンを出せることの企業レベル。そしてどこの店でも変わらない味の一定さ。何もかも真似できる気がしません。
茹で麺機もタイマー式で自動。時間になればテボが上がり湯切り状態になる。素人でもラーメンが作れる体制。
ちょっとラーメン食べ歩いてるぐらいで幸楽苑を馬鹿にするもんじゃないと私は説教します。それはどう頑張っても真似できないので。
昔の話で、私の師匠のお店に幸楽苑で店長していた人間がラーメン屋になりたいと面接に来た話なんですが、面接の時に、
包丁は使える?と聞いたら、
「いえ!材料は全て切られていたので包丁使ったことありません!」
じゃあ鍋は振ったことある?と聞いたら
「機械がやるのでないです!」
困って麺上げはしてた?と聞くと
「ボタン押して自動です!」
師匠は彼を不採用にしたそうです。
そんな人でも店長としてお店を運営出来ていたという事と、それを支える仕組みを確立させた組織力・企業力が素晴らしいと言いたいのです。
ここで幸楽苑の歴史を少し歴史を紹介
幸楽苑の創業と初期の発展
幸楽苑(こうらくえん)は、1954年に福島県会津若松市で創業しました。創業者の新井田司翁は、もともと「味よし食堂」という名前で小さなラーメン店を経営しており、その後1967年に「幸楽苑」と改名し、ラーメン業界に参入しました。当時、ラーメンはまだ一般的な食事として広く認識されていなかったため、幸楽苑は地域密着型の店舗運営を心掛け、地元住民に愛される店づくりを行いました。
幸楽苑の初期の発展は、地元の農産物を活用したスープや、リーズナブルな価格設定にありました。特に、「中華そば」はシンプルながらも深い味わいで、多くの顧客に支持されるメニューとして知られています。この時期の幸楽苑は、地域に根ざした経営を続けながら、徐々にその知名度を上げていきました。
全国展開とフランチャイズ展開の成功
1980年代に入ると、幸楽苑はそのブランド力を生かし、福島県外への進出を開始しました。この時期に、幸楽苑はフランチャイズ展開を積極的に進め、全国的なラーメンチェーンとしての地位を確立していきました。特に、東北地方から関東地方への進出は、幸楽苑が全国的に認知されるきっかけとなりました。
フランチャイズ展開の成功の背景には、幸楽苑の店舗運営における一貫した品質管理と、低価格でありながら高品質なラーメンの提供が挙げられます。幸楽苑の「290円ラーメン」は、そのコストパフォーマンスの高さから多くの消費者に支持され、全国に広がる一因となりました。また、幸楽苑はフランチャイズオーナーに対しても充実したサポート体制を敷き、店舗運営のノウハウを共有することで、全体のブランド力を高めることに成功しました。
お店を運営するには、仕組みづくりが大事
全てを一人で管理してずっと営業していきます。という人はあまり気にする必要がないと思いますが、
店舗拡大・従業員を増やす。などの考えが出た時に仕組みという物が確立されていなければ、作業の一定化は図れず、出来る人・できない人の差が開き続け、お店の味やサービスの均一化を目指すことなどできません。
多店舗展開してよくある事例が、「〇〇店は本店より美味しくない。〇〇店は味が濃すぎてダメ」という事。
では事例にある味の違いについての仕組みづくりと改善策はどうするか?
・業者に委託する。タレ・スープなどをOEMで作り各店舗に配送し管理させる。
これがいちばん味のブレが少ないです。でもデメリットとしては費用、保管場所、納品日について出てきます。
説明しましょう。まず初期ロットの多さ。液体もの(スープ・タレ)は小ロット対応できる所でも100Lくらいからじゃないでしょうか?冷凍で納品された時の保管場所に余裕がないと。入れることはできないのでその納品されてから保管する場所の確保が必要。そして注文したからと言ってすぐ工場が調理してくれるとは限らない点。一度作ってからの再度納品可能までの時間をリードタイムと呼びます。必ず各工場それがあるので、売れすぎた場合、次の納品までに日数が必要になる事。各工場で値段や対応力、再現力が違うので、納得いくまでの物が仕上がるか?という懸念点もある。
・店主・オーナーが作り配送
<秘伝のレシピは誰にも教えずは墓に持っていく>こんな話も少なくはありません。私もタレに関しては妻にも師匠にも正確な数字を教えたことはありません。なのでオーナー自身が作り各店舗に配送。これもよく聞く話です。メリットは完璧にオーナーの味になる事。OEMより安く済む事。知識の流出が防げる事。保管も容易な事。デメリットとしてはオーナーの急な事故や病気などがあった場合、管理しているすべての店の味が不安定になる事。多店舗になればなるほどオーナーの負担が増える点。
・店長・店舗管理者を呼んで勉強会。
これもよく聞くパターンです。人を信じる系のオーナさんにはこれが多いと思います。でも何度か勉強会を開いても変わらないというパターンも耳にします。メリットは顔を合わせ情報交換や各店舗の管理者レベルが分かる事。デメリットはどう頑張っても直らないパターンや、素直に正そうとしない店舗管理者との関係悪化。
店任されている人って、自我が目覚めてくる人っています。
良い事なんですけど、目覚めすぎてオーナーからそんなのは自分の店でやれ!と揉める話も少なくはありません。
・×オーナがすべて作り・管理するパターン。
一番の悪手だと私は思います。これで成功した話あまり聞いたことないです。店主・オーナーがいる店は基本的に味と人柄で来客させる事が可能です。その中でお客さんから、またはネットでグループ店の中に評価の悪い店舗があると知る。確認しに行くと、「全然ダメ。もうお前はだめだ〇〇店に行け!その間に俺が直しておくから!」となり、急に店主がその店を管理するようになる。約1か月後~3か月間店主が管理。結果、遠のいていた客足が戻り始める。
(飲食店で何か対策した効果というのは3か月後に表れるとよく言われています。)
その間本店は、店主が作っていない、不在なのでいつもの味ではないというコアな常連のからの不満の声多数。
店主の人柄メインで来ていた人の来店度下がる。その言葉につられ普通の常連たちも「本店は今だめらしいよー」というネガティブな噂話。その後店主がまた本店に戻っても客足悪くなり・・・立て直したダメな店舗はまたダメになり。
となって閉店してしまったという話はよく聞く話です。
店舗管理者の意識・技術が低いのにその地位にいる事と、味を再現する仕組みづくりが出来ていなかったという事ですね。
まとめ
仕組み作りがあるから調理の技術が低くい人材でも厨房に入れることにより多店舗展開が実現可能、
工場で大量生産することにより味の均一化を図り、製造元にも値下げ交渉ができる。
事業を展開するには仕組み作りをして、そのレールを走らせることが大事なのだと思い知らされます。
某ラーメン雑誌の上位に出る個人の有名ラーメン店がひしめき合う土地の中で1番客入りが多かった店が「幸楽苑」という伝説の話を聞いたことがあります。同時に「やはり個人は大企業に勝てるはずが無い」そんな言葉がその界隈で出たそうです。
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[…] 幸楽苑から学ぶ仕組みづくりの大切さ[ラーメン店・店主たなかさんの独断と偏見] […]